著作権侵害です!「別の本に載せた広告と同じでいいや」
著作権侵害は会社の信用が失墜するなどの
大きなリスクにつながる
それって著作権法違反なんじゃ・・
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通常、著作権は掲載媒体にあります
うちの会社の求人広告なんだから、ほかで使ってもいいじゃないか。
求人広告についてそう思っている人事担当者は少なくないようですが、求人広告は著作物にあたり、著作権が発生します。そして、通常、著作権は作った人に帰属するため、一般的には掲載媒体のものです。ある本に載せた求人広告を黙ってそのままほかの本に載せるという行為は著作権を侵害することになり、それは著作権法に違反することになります。 -
ちょっと使わせてもらおう、は危険です
出版物には基本的にすべて著作権が発生していると考えましょう。
ですから、本を読んでいて「このフレーズがいいな」と思ったからといって、それを自社の広告などに使ってはいけません。言葉だけでなく、写真やイラストも同じ。
ただし、著作権を持つ人から許諾をもらえば使用することができます。 -
著作権に注意を払っていますか?
著作権の侵害というトラブルは、直接、応募者に不利益があるというものではありませんが、著作権を侵害された人から訴えられれば会社の信用は失墜します。最近は知的財産権に関する意識が高まっており、他者の権利を侵害した会社に対する社会の目は厳しいものがあります。「これくらいはいいだろう」とか、「謝ればすむだろう」という考えは通用しません。十分に注意を払い、法律を遵守することが大切です。
法律マメ知識
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著作権法第124 条
「法人の場合は3 億円以下の罰金、自然人の場合は10 年以下の懲役、または1000 万円以下の罰金」という罰則も設けられています(著作権法第119 条)。
名称やキャラクター、
写真に写っている人にも権利があります
- 勝手に使ってはいけないものとして、登録商標があります。名称やキャラクターがこれに当たることが多く、これらは登録をした人以外が勝手に使うことはできません。例えば、「市販されているぬいぐるみがうちの会社のイメージにぴったりだからマスコットとしていろいろなところに使おう」ということはできないのです。
- また、タレントやモデルと使用契約を結んだ場合でも、その契約が販売促進のためだけに使用することを目的とした契約だった場合、そのタレントやモデルを求人広告に載せることはできません。販売促進のための契約とは別に、求人広告に使用するための契約が必要なのです。
- このほか、一般の人であっても、写真に写っている人には肖像権があります。勝手に広告などに使用してはいけないので気をつけましょう。会社の様子を求人広告に掲載する場合は、そこに写っている社員一人ひとりに掲載の許可を取る必要があるのです。