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採用動向

インターネット通販が急速に成長していることもあり、物流量は増加傾向にあります。こうした中で、運送会社は次々に配送拠点の拡張に乗り出しています。インターネット通販は今後も更に成長が見込まれており、業界にとっては大きな追い風となっているため、人材がますます不足してきています。
ドライバー不足の問題は先に挙げた物流量の増加とともに、長時間労働になることもあり、労働環境が厳しくなっていることがひとつの原因とされてきました。しかしこの業界全体が直面する長時間労働の問題に対して、平成27年4月3日に国土交通省から「トラック輸送における長時間労働の抑制に向けた取組について」が公表され、労働環境が改善されました。このことにより働きやすい環境になったため、今後は応募者数の増加が期待されています。

企業の信頼の証として、安全性優良事業所で取得できるGマークやグリーン経営認証取得に取り組んでいる企業が増えています。Gマーク取得をしている会社は、長時間の運転を防止し社内研修を行って事故防止に努め、働く環境を整えています。
企業全体で海外への進出に強い意欲をみせているのもこの業界の特徴です。成長が著しいアジアの市場において、売り上げ拡大を目指して動きを見せ始めていますので、今後は語学知識のある人材も求められます。

最近では女性の求職者も増えており、国土交通省自動車局が配達員を含む女性トラックドライバーの活躍を促進するために「トラガール」の呼び名でプロジェクトを展開し、就業しやすくなるような環境整備が進められています。例えば悩みの一つでもあるトイレ問題ですが、プロジェクトチームは、コンビニエンスストアやガソリンスタンドなどで、女性トラックドライバーがトイレを使用することに理解や協力を要請しています。

また、日本は高齢化社会ということもあり、食品や日用品を定期的に配送するサービスの需要が高まっています。従来は物を運ぶというサービスのみでしたが、顧客とのコミュニケーション能力も求められるようになりました。今後もこの傾向は強まっていくことが予想されます。

注意点としては、配送する品物の大きさによって車のサイズが異なる点です。必要とされる免許の種類や配送を行う距離については、会社によって異なりますので、求職者にはしっかりと事前確認しておくことが大切です。
上記の内容を踏まえて、労働環境が改善されていることを打ち出しつつ、運転以外にも様々なスキルを発揮出来る業界であることを理解してもらうことが大切です。

求職者の特徴、属性

配達の業務は、運転免許以外の特別な免許や資格は必要ではありませんが、業務の特性上、車の運転が好きな人や得意な人が多い職種です。
また、荷物を届ける際には顧客とのやり取りが生じるため、コミュニケーションをとることを厭わない人が志望する傾向があります。

配達の雇用形態は正社員、契約社員、パート・アルバイトなどの直接雇用と業務委託などがあり、雇用形態により報酬体系も異なるケースが多いです。直接雇用の場合は、固定給+出来高制のケースが多く、業務委託の場合は完全出来高制である傾向にあります。そのため、求職者自身が希望する報酬体系により雇用形態の種類を希望することが考えられます。

配達は、業種・業界未経験者にも間口を開いている職種ですが、経験者は前職の待遇や就業条件を改善するために転職を希望している場合もあります。
例えば、前職が長距離ドライバーだった場合、長期間自宅に帰宅できない生活を改善するため、近距離ドライバーへキャリアチェンジするケースもみられます。

人材不足が深刻な職種ですが、若者の就業者の不足は更に深刻な問題です。総務省が平成27年に発表した労働力調査から、配達事業を含む自動車運送事業の従業者は40代が33.0%、50代が22.7%、60代が15.1%と労働者は高齢化していることがわかり、求職者に関しても同じく高齢化している傾向があると推測できます。

年齢と経験問わず免許さえあれば仕事を始めることができる配達業は、その間口の幅広さが魅力です。配達業といっても、雇用形態から就業条件までその業務スタイルは細かく別れているため、一人ひとりの要望に合わせた形で仕事に就ける点をさらに打ち出していく必要があるでしょう。

採用のポイント

車やバイクに長時間乗り悪天候でも運転をするため、安全に運転できる技術や体力に自信のある人が多い業界です。そのためにも配達・配送経験がない人でも日頃から生活の中で車を運転しており、運転することにある程度慣れていることが重要です。
その証左として無事故・無違反であること、安全運転を心がけているかといったことをきちんと確認することが必要です。

配達とはいえ人と接する機会も多く、業務によっては配送と営業を同時に行うこともあります。顧客と接して行く過程で信頼関係を築きあげれば大きなビジネスチャンスに結びついていくこともあり、コミュニケーション能力の有無も求職者を見極めるポイントです。
また近年ではネット通販が拡大しており、宅配便の取扱い数はますます増える一方です。業務の効率化と高速化が求められますので、常に改善点を模索しながら業務を行えるかどうかも採用のポイントです。

今後も配達の仕事は拡大・進化することが見込まれています。時代や社会情勢、同業他社の動向を察知し、動きに遅れることなく採用活動を行っていくことが必要でしょう。採用担当者は常に情報収集を行い、より自社にフィットした人材を確保できるよう努めることが大切です。

配達の仕事・業務内容

配達の主な業務内容は、自動車やバイク、軽自動車やトラックなどを運転して会社や店舗、個人宅などへ荷物を届ける仕事です。

バイク便は依頼のあった書類または商品などを指定の場所へ一度取りに行き、その後、別の指定の場所まで届けることが仕事です。バイクでの配送は、乗用車やトラックに比べると渋滞にさほど影響されないため、利用者にとって利便性が高く需要も高まっています。原付免許は必須ですが、未経験から就業する配達員も多く存在します。

軽貨物や宅配などは普通自動車免許が必須条件となり、安全に運転する意識や正確性も求められます。決められた地域内のルートを配送することが多く、エリア内の地理を把握してしまえばスムーズで効率的な業務を行うことができます。取り扱う荷物も小さなサイズを基本としている場合は体力的な負担も少ないため、女性や高齢の方々も活躍できる職種です。

中型トラックを利用した配達業務は、高速道路などを利用し、主要都市間の集配所等へ依頼された荷物を運ぶ仕事です。基本的には日帰りで行き来できる距離の配達業務がメインです。この場合は車両総重量5t以上11t未満中型自動車免許が必要です。
大型トラックの配達員は、他の作業員と共同で作業することがあります。例えば、荷物が大きくて重く、人力で運ぶことが不可能な場合はフォークリフトを用いて荷物の上げ下ろしをするといった作業を行います。
大型トラックは長距離を走る事が比較的多く、道中にトラックの中で睡眠をとりながら、何日間にも渡って荷物を届けるために運転することがあります。長時間の運転は体力的にハードであるため、日頃の体調管理が欠かせません。従事する際は、車両総重量11t以上の大型自動車免許が必要です。
このように配達員にも様々な業務があります。年齢、性別問わず就くことの出来る職種ですが、特に大型トラックを使った配達員を採用する場合は、しっかりと自己管理できるかを見極めるようにしましょう。