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【2018年1月以降どう変わった!?】扶養・控除に関する「○○○万円の壁」を解説

2019/2/15

2018年1月から変化が……正しく理解しておきたい「年収の壁」

アルバイトをしている主婦の場合、「税金を安く抑えるために、夫の扶養の範囲内で働きたい」と希望する方もいるでしょう。「103万円の壁」や「130万円の壁」など扶養の範囲に関する金額を聞くことも多いと思いますが、この扶養には「税制上の扶養」と「社会保険上の扶養」の2種類があります。同じ言葉で語られることが多いこの2つの扶養、実はそれぞれ別の制度です。

2018年の1月、専業主婦やアルバイトで働く主婦がいる世帯の所得税を軽減する配偶者控除制度が見直されました。以下では、それぞれの「壁」の特徴や、年収の違いによって「扶養・控除」がどのように変わるのかを見ていきましょう。

1.「103万円の壁」は、所得税の発生ライン

2017年までは、アルバイトで働いている配偶者の年収が103万円以内であれば所得税を払わなくて済みました。これが、いわゆる「103万円の壁」です。

これまで103万円の壁には、「所得税に関する壁」と「配偶者控除に関する壁」の2種類が存在しました。しかし、2018年1月の配偶者控除制度見直しを受けて、配偶者控除に関する壁が撤廃。現時点では所得税に関する壁だけが残っています。

2.「106万円の壁」は保険加入のライン

「106万円の壁」は扶養に入れるかどうかではなく、自分の勤務先の社会保険に加入するかどうかのボーダーラインです。

社会保険の加入は、収入額以外に従業員数・勤務日数・勤務時間などの条件も合わせて判断されます。社会保険の概要や加入対象者の条件などに関する詳細な情報は、「雇用保険や健康保険、社会保険制度の加入条件を確認しよう」の記事で詳しくご確認いただけます。

3.「130万円の壁」は健康保険と公的年金の負担発生ライン

妻の年収が130万円を超えると、健康保険や公的年金など社会保険制度の負担額に違いが生じます。妻の年収が130万円以下であり、夫の被扶養者として認められる場合には、妻は夫の健康保険へ加入することが可能です(配偶者である夫が会社員もしくは公務員である場合)。

しかし、妻の年収が130万円を超えると夫の社会保険の扶養から外れることになり、自身で社会保険料を負担しなければなりません。社会保険の扶養から抜けたくない雇用者もいますので、扶養内勤務の希望をあらかじめヒアリングしておくのも良いでしょう。

4.2018年1月から登場!「150万円の壁」の正体とは?

配偶者控除が改正されたことで、新たに誕生したのが「150万円の壁」です。女性の社会進出を促進するという目的で、2018年1月から配偶者特別控除が拡大。妻の年収が「103万円超150万円以下」なら、夫は配偶者特別控除として38万円の所得控除を受けられるようになりました。なお、配偶者控除の対象となる妻の年収要件はこれまでと変わりません。

しかしその一方で、配偶者控除の控除対象配偶者となる要件には所得制限が導入されています。納税者である夫の所得に応じて控除額には段階的な差が設けられ、年間合計所得が1,000万円(給与のみなら年収1,220万円)を超える場合は控除自体が受けられなくなります。

5.「201万円の壁」は配偶者特別控除の上限ライン

配偶者控除の上限引き上げに合わせて、配偶者特別控除の上限も引き上げられました。妻の年収が150万円を超えていても、201万円までは夫の収入額や妻の所得額に応じて段階的に控除を受けられることから、その上限を取って「201万円の壁」と呼ばれています。

経営者(雇用者)は「年収の壁」とどう向き合っていくのか

配偶者控除制度の見直しによって変化が生じた、扶養・控除における「年収の壁」。これまで「103万円の壁」がネックでシフトを調整せざるを得なかった主婦層が、より働きやすくなったとも言えるでしょう。ただし、収入が増加すれば雇用者本人の自己負担額も大きくなるので、希望の働き方についてヒアリングしておくと安心です。

新たな年収の壁に向き合っている主婦と同じように、アルバイトのスタッフを多く雇っている企業の経営者も、「年収の壁」とどのように向き合っていくのかを考えておく必要があるでしょう。年収の壁とその条件を知っておくことで、毎月のシフト計画を立てやすくなるかもしれません。年末に「扶養を超えてしまいそう!」と慌ててスタッフのシフト調整をしなくてすむようにしたいですね。