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アルバイトを雇用する際の必要書類について

アルバイトを雇用する場合、さまざまな書類が必要になります。書類には2つの種類があり、ここでは、アルバイトを雇用する際の必要な書類について、それぞれご紹介します。

法律上、提出してもらうことが必要な書類

平成28年1月1日からマイナンバー制度が導入され、税金や社会保険の手続き・申請にはマイナンバー(個人番号)の提出が求められるようになりました。正社員だけでなく、アルバイトを雇用する場合にもマイナンバーの提出が必要です。また、雇うアルバイトの方に扶養家族がいる場合、被扶養者のマイナンバーも必要になります。従業員のマイナンバーは重要な個人情報であるため、情報流出の防止や管理の徹底などが企業に求められます。

税務・社会保険加入手続きにおいて必要な書類

アルバイトとして雇用した方の出勤日数や勤務時間は、人によってさまざまです。アルバイトは、働き方に多様性がある分、健康保険や厚生年金、雇用保険などの社会保険に加入対象か否かなどについても、人によって異なります。また、扶養の範囲で働きたいアルバイトの方の場合には、事業主は税務・社会保険上、手続きが必要です。 実際に必要な書類は雇用条件に応じて異なるため、重要な手続きに漏れがないよう、必要な書類をチェックして提出を求めるようにしましょう。税務上または社会保険の加入手続きをするうえで必要となる書類には、以下の3点があります。

1.社会保険関連の手続きに必要な書類

アルバイトであっても「1週間の所定労働時間が20時間以上」など、一定の要件を満たすと雇用保険への加入が必要になります。加入手続きは職業安定所(ハローワーク)で行いますが、その際に「雇用保険被保険者番号」および「マイナンバー(個人番号)」が必要です。
また、健康保険や厚生年金などの社会保険も、「1週間の所定労働時間と1ヶ月の所定労働日数が一般社員の4分の3以上」などの要件を満たす場合に、加入が必要です。健康保険や厚生年金の加入手続きは、主に年金事務所で行い、「基礎年金番号」および「マイナンバー(個人番号)」が必要になります。

2.税務上必要な書類

同じ年に別の会社に勤務していた方をアルバイトとして採用した場合、年末調整の際に以前の会社から交付された「源泉徴収票」が必要になります。年末になって慌てて提出を求めるのではなく、入社時に源泉徴収票の有無を確認して、事前に受け取っておきましょう。 また、従業員が会社を退職した場合、その企業は1ヶ月以内に源泉徴収票の交付を行いますが、受け取っていない場合には、交付を依頼するようアルバイトの方に伝えましょう。さらに、年末調整に際には「扶養控除等申告書」も必要になります。扶養控除等申告書も入社時に記入をしてもらい、提出してもらった方がよいでしょう。

3.その他の書類

雇用した人に被扶養者がいる場合、「健康保険被扶養者異動届」や「国民年金第3号被保険者該当(種別変更)届」が必要になる場合があります。

法律上は不要だが提出を求める場合が多い書類

法律上、特に作成や提出が定められているわけではありませんが、企業ではアルバイトを雇用する際に、次のような書類の提出を求めることが多くなっています。「法律で定められていないのに、なぜ提出が必要なのか」書類の特徴を踏まえたうえで、従業員に書類を提出してもらうべき理由を確認しておきましょう。

1.雇用契約書:事業主と従業員との間で雇用契約が締結したことを証明する書類

雇用契約書には労働契約の期間や終始時刻などの条件が記してあり、事業主と従業員が同意したうえで、それぞれ捺印と署名を行います。契約書によっては、「労働条件に関して同意して、労働の契約を結んだ」という証拠を書面で残すことができます。
また、雇用契約書と似たものに「労働条件通知書」がありますが、雇用契約書を交付することで、労働条件通知書を兼ねることが可能です。雇用契約書が企業と従業員の間で締結する契約であるのに対して、労働条件通知書は、企業から従業員へ交付する書面となっています。

雇用契約書で労働条件通知書を兼ねる場合

労働条件通知書に記載する必要事項(後述)に加えて、次のような項目を盛り込むといいでしょう。

  • 災害補償及び業務外の傷病扶助
  • 秘密保持義務
  • 社会保険等の加入
  • 福利厚生

雇用契約書は1通でも構いませんが、改ざんやトラブルを防ぐために雇用契約書を2部作成し、雇用主である企業と従業員との双方で保管しておくとよいでしょう。雇用契約書には、雇用主と従業員の署名と捺印が必要です。そのため、雇用した当日に雇用契約書を提出してもらう場合には、忘れずに印鑑を持参してもらうように伝えておきましょう。当日に手続きを行うことが難しい場合には、事前に郵送等で署名と捺印をした契約書を提出してもらうことも可能です。

従業員に交付する「労働条件通知書」

次の項目を記載する必要があります。

  • 契約の期間
  • 就業場所
  • 業務内容
  • 始業および終業の時刻
  • 休憩時間や休日・休暇、交替制勤務制の場合には、就業時転換に関する事項
  • 所定労働時間を超える労働の有無
  • 賃金の決定・計算・支払方法・締切り・支払日
  • 解雇の事由を含む退職についての事項
  • 契約更新の有無とその基準

この他にも、昇給や退職手当をはじめ、賞与の有無なども記載しなければなりません。

2.(入社)誓約書:アルバイトを採用するにあたって、会社の方針や規約を遵守する約束を取り付けるための書類

雇用契約書には労働契約の期間や終始時刻などの条件が記してあり、事業主と従業員が同意したうえで、それぞれ捺印と署名を行います。契約書によっては、「労働条件に関して同意して、労働の契約を結んだ」という証拠を書面で残すことができます。
また、雇用契約書と似たものに「労働条件通知書」がありますが、雇用契約書を交付することで、労働条件通知書を兼ねることが可能です。雇用契約書が企業と従業員の間で締結する契約であるのに対して、労働条件通知書は、企業から従業員へ交付する書面となっています。

3.身元保証書:アルバイトとして雇用した従業員の身元を「誰が保証するのか」を明らかにするための書類

従業員に何かトラブルがあった場合、誰に連絡をすればいいのかを把握するためにも必要な書類になります。身元保証書も誓約書と同様に、決まった書式があるわけではありません。アルバイト本人の住所・氏名に加えて、身元保証人の住所・氏名を記載するのが一般的です。身元保証書には、保証期間の記載が必要ですが、一般的には作成日を起算日として5年となっています。 アルバイトの場合、雇用元の企業に対して大きな損害を与えるケースは多くはないかもしれません。しかし、仮に従業員に賠償責任が発生し、本人にその支払い能力がない場合には、身元保証人に対して損害賠償請求をすることも考えられます。このようなケースの場合、身元保証書が重要な役割を果たすため、特に未成年をアルバイトとして雇用する場合には、身元保証書を提出してもらうとよいでしょう。

4.免許・資格を証明する書類

特定の免許や資格を保有していることがアルバイトの採用の条件となっている場合には、「該当する免許や資格を保有している」ということを証明する書類を提出してもらいましょう。資格の保有を証明する書面としては、免許書や資格証のコピーなどが証明する書類に該当します。 資格の証明が必要な例としては、税理士や社会保険労務士、宅建士などが挙げられるでしょう。書類の提出を求めることで、無資格者を採用してしまう危険性を排除することができます。また、稀に学歴を詐称してアルバイトに応募する人もいるかもしれません。必要に応じて学歴証明書などの提出を求めてもよいでしょう。

5.交通費・通勤経路などの申請書

交通費の支給処理をするためには、交通費の額や通勤経路などを記した申請書が必要です。ただし、交通費の支給が契約条件に入っていない場合は、交通費・通勤経路などの申請書は不要になります。また、自宅が近く、事業所まで徒歩や自転車で通勤する場合なども不要です。しかし、申請書が不要な場合であっても、何かあった時のためにアルバイトの方の住所を把握しておきたい場合には、自宅から事業所までの簡単な地図を書いてもらうとよいでしょう。

6.給与振込口座の登録申請書

給与の支払いは、書面による個々の労働者の申し出、または同意により多くの企業が銀行振り込みを採用しています。どの銀行のどの口座に給与を振り込むかを確認するために、給与振込口座の登録申請書を提出してもらいましょう。給与の振り込みをする金融機関を指定している場合、アルバイトとして雇用した方が、指定の銀行口座をもっていないケースも考えられます。事前に口座の有無を確認し、銀行口座の開設が必要な場合には、給与振込日までに間に合うようアルバイトの方に口座開設をお願いしておきましょう。

7.健康診断書

健康診断書の提出は、法律で定められているわけではありません。しかし、従業員の健康を担保するという意味で、採用の際には医師による健康診断書の提出を求める企業も多くなっています。 医師による診断で異常がないことが採用の条件ではない場合でも、持病があるかどうかなどを把握しておくことで、何かあった場合に迅速な処置をすることができます。医師による健康診断書の他に、常時服用している薬やかかりつけ医がいる場合には病院名や連絡先などを記載してもらいましょう。

8.住民票記載事項証明書

住所地の確認のために、住民票や戸籍謄本の提出を求めるのが一般的です。ただし、住民票、戸籍謄本(抄本)には本籍地の記載があります。同和問題などの差別が問題になっていることから、「従業員の採用にあたっては、本籍地の記載を求めないように」という行政指導がなされています。そのため、住所の確認のために住民票の提出を求める場合には、本籍地の記載がない「住民票記載事項証明書」を提出してもらうようにしましょう。

雇用の際には、アルバイトの方に提出してもらわなければならない書類が数多くあります。社会保険や税務上の手続きに必要な書類はもちろん、必ずしも法律で定められているものでなくても、必要な書類は漏れがないように提出してもらうようにしましょう。