こんにちは、数々の下剋上が果たされた戦国時代に「成り上がり」のロマンを感じてやまないリポーターの伊達です。
「成り上がり」の代表と言えば農民の出自から天下統一を遂げた豊臣秀吉が有名ですが、私の一押しは、美濃(現在の岐阜県)の斎藤道三。11歳で出家、しばらくして俗世間へ戻った後、油売りを経て守護大名・土岐氏の家臣に遣えることになり、跡目争いに乗じて数々のクーデターを成功させました。なるほど、「美濃のまむし」の異名も納得ですね。
ちなみにこの「美濃のまむし」は、斎藤道三が持つ存在感を端的に示す「ブランド」とも言える異名です。今回は、採用活動において磨くメリットが大きい「企業のブランド」についてご紹介します。
少子高齢化にともなう生産年齢人口の減少に歯止めがかからない昨今、業種・業態にかかわらず人材不足に危機を感じている経営者や人事担当者の方も少なくないでしょう。そうした中、企業としてはパソコンやスマートフォンを使っていつでもどこでも情報を収集できる求職者から「見つけてもらうこと」「覚えてもらうこと」が必要になります。
採用活動の情報発信で特に重要なのは、求職者の目に留まることです。募集要項の詳細を見直したり、求人広告のキャッチコピーを変更したりといろいろ手を打つのはもちろん重要ですが、その前にまず自社の「ブランディング」を行い、採用活動に活かしてみましょう。自社のブランド価値をどう打ち出すかによって、求人広告からの応募者が増えたり、求職者とのミスマッチが減ったりする可能性もあります。
自社のブランド価値を見つめ直し、どう打ち出すかを決める戦略・活動のことを「ブランディング」と言います。ブランディングによって企業や組織の「ブランド(=らしさ)」を明確にし、それによって求職者へ存在を認知させたり自社のポジションを明確化させたりすることで、「この企業で働きたい!」と思ってもらえるようにイメージを向上させていきましょう。
似たような商品がいくつかあったときに、「機能面の違いがそこまでよくわからなかったので結局ブランド名で買った」という経験はありませんか? 採用のためのブランディングで実現を目指すのも、まさにそこ。求職者にとって、他社とは違う魅力を感じさせるブランドの力が「応募の決め手」になってくるのです。
ブランディングに取り組むと、企業には以下のような採用メリットが得られます。
自社の特徴や求職者が興味を持つような情報を発信していると、口コミやSNSなどを通して興味を持ってくれる求職者が増える可能性があります。そうなれば、より応募者を集めやすくなるでしょう。求職者が就職先・転職先を検討する材料はさまざま。仕事を通して求職者に提供できるメリットを伝えられれば、それが決め手になる可能性は十分にあります。
・どのようなワークスタイルか
・魅力的な社内制度や福利厚生制度が用意されているか
・どのような先輩が働き、活躍しているか
・どのような教育・研修体制があるか
・どのようなスキルが求められ、身に付けられるか
・CSR (企業の社会的責任)活動に力を入れているか
こういった情報が自分の意向と合致すれば応募したい、という求職者は少なくありません。
求人広告やSNSなどを使って、「自社の個性」を積極的に伝えていきましょう。
ブランディングに取り組むことで採用者としてのメッセージが明確になり、それによって求職者の「働くイメージ」が具体的になります。自社をくわしく理解してくれれば、「思っていた働き方と違った……」といったミスマッチによる早期離職者が減ったり、労働意欲が高まって従業員の勤続年数が増えたりするでしょう。
また、企業と応募者のマッチング度合いが高まるので、「選考辞退」も減ることが考えられます。応募者の志望動機が「ありきたり」ではなく「オリジナル」になり、面接のレベルが高くなりやすいのもメリットです。
まず自社にとって「理想的な人材」を定義します。どんな能力がある人材か、どんな性格で、どんな経験を持っている人材を「理想的な人材」とするのか明確にしましょう。
ターゲットを明確にしたら、「働き方」「働き甲斐」「社風」「スキル」といった自社の特徴と絡めて軸となる採用コンセプトを決めます。「背骨」となるコンセプトを決めることで採用活動に一貫性が生まれ、複数の選考を同時並行で受けている求職者も情報を整理しやすくなります。
採用コンセプトに沿って伝えたい情報を文章化し、求人広告や採用ページに実際のコンテンツとして落とし込みます。ただ募集要項を記載するだけでなく、活躍する姿や仕事のやりがいを具体的にイメージできる内容にすることが大切です。
情報は繰り返し発信することで、長期記憶として脳に残りやすくなります。ただし、情報の信頼性を高めるには「一貫性」が欠かせません。SNSや企業説明会では、求人広告や採用ページと同じコンセプトで情報を発信しましょう。
求人広告を見ていると、思わず目が留まるようなキャッチコピーに出会うことがあります。こうしたキャッチコピーは「他社との差別化」につながる大きなポイントですが、「他社のコピーが気に入ったからアレンジした」だけでは広告文の内容や事実との間にズレが生まれてしまうでしょう。まずは採用コンセプトを作ること。そしてそのコンセプトに沿ってユニークなキャッチコピーを考えること。そうすれば、求職者の興味を引ける可能性が高まるでしょう。
競合と差別化を図り、長く貢献してくれる人材を獲得するために、まずは自社の「ブランド(=らしさ)」を確認してみましょう。
さらに詳しく知りたい方はこちら
→ 【応募が来ない・・・】求人募集を出しても応募が来ない際の原因と対応策