突然ですが、みなさま「社員満足度」について社内調査などを実施していますか?
社員が会社で働く上でこの満足度が高いと、離職率の低下やモチベーションアップによる生産性の向上などに繋がるようです。
満足度向上のために、福利厚生を充実させる、環境の改善、人間関係の充実…などなど、できることはかなり多いですよね。
とはいえ、実際企業ではどんな施策を実践しているんでしょう?
そういえば、チャットツールを提供している会社が「社員満足度日本一」を獲得していたような…?これは詳しく聞かなければ!と取材をお願いしたのはChatWork株式会社様。
今回取材を受けていただくのは、ChatWork株式会社 コーポレートサポート本部 本部長 西尾さんです!
高杉:
西尾さん、どうぞよろしくお願いいたします!
西尾さん:
よろしくお願いします!
高杉:
「チャットワーク」はビジネスコミュニケーションツールとして広く知られていますが、
そのツールを開発しているChatWork様についてあらためて教えてください。
西尾さん:
弊社は2000年に創業し、2004年に法人化してChatWork株式会社を設立しました。
現時点で社員数は約88名です。(※2018年5月末日時点)
主な事業としては、社名と同じ「チャットワーク」というビジネスコミュニケーションツールの開発、提供をしています。
この事業を始める前は、ソフトウェア開発をメインとした事業を行っておりました。
ですが今後はコミュニケーションツールに注目が集まるだろうと予測し、事業をシフトして社名も変更しました。
「チャットワーク」は社内のコミュニケーションを円滑にして業務の効率化をサポートしようという目的のもと、
2011年3月1日にリリースされたプロダクトです。
実は、もともと「チャットワーク」は社内用ツールとして開発したものなんですよ。
現在では多くのコミュニケーションツールが存在しますよね。
ですが、当時はまだビジネス用途のチャットツールといったものは多くありませんでした。
まだ珍しかったツールを社内で使用していくうちに、製品として提供できるのではという話になりプロダクト化した背景があります。
ですのでこのツールは他社よりも先駆けて開発に着手し世の中へ出したものになりますね。
高杉:
現在の社名になったのは最近なんですね。創業時はやはり現在と違う体制だったんでしょうか。
西尾さん:
はい、当初は会社名も違いましたし、社員数も30人以下でした。
社員数はここ2、3年でどんどん増えてきましたね。
というのも、ここ数年で組織拡大に伴い社内体制を整えよう、という話になりまして。
今の時代、チャットというツールが世の中でかなり認知されるようになってきましたよね。
おかげさまで取引が多くなったりとうれしいことも多いんですが、一方でチャットツールにおける市場競争も激しくなってきているんです。
そういった背景をふまえ、市場競争の変化に対応するべく体制を整えています。
高杉:
「社員満足度日本一」という評価はいつごろ獲得されたのでしょうか?
西尾さん:
この評価を獲得したのは2009年と2010年のことなんですよ。
(リンクアンドモチベーションの企業診断による評価)
まだ弊社がChatWorkという会社になる前の話です。
ただ、社内制度などは評価を獲得した当時から変えていないですね。
高杉:
そうなんですね、ではこの評価を獲得するまでにはどのような経緯があったんでしょう?
西尾さん:
前代表の山本が会社を立ち上げた際、創業メンバーが次々と会社を去っていったことがありました。
前代表は頑張って仕事を成功させたいという思いがあり、メンバーも同じ考えを持って働いていると思っていました。
ところが、実際はそうではなかった。
当時前代表は体育会系だったこともあり、彼らが辞めていくのは「根性が足りないから」と思っていた節もあったそうです。
しかしメンバーの離職を受け、前代表なりに何が原因だったのか考え直すことにしました。
1年で1000人の経営者と会うことを掲げ、多くの経営者と交流していた時期がありました。
そういった交流の中で、やはり「良い経営者は社員を大事にしている」という事実に感銘を受けたそうです。
そこからは、「社員第一主義」を掲げ、社員を最優先に考えるようになりました。
彼自身、学生時代に留学してそのまま創業するという経緯があり、社会人としての経験はありませんでした。
そういった中で、自分が就職するとしたらどんな会社が良いかを考えたり、社内から挙がった意見を聞いてさまざまな制度を作っていったそうです。
そうして社内制度が増えていくにつれ、社員満足度も向上していったという経緯があります。
高杉:
社員満足度の向上のために、掲げている目標やポリシーなどはありますか?
西尾さん:
前代表がよく言っている言葉で「Make Happiness」という経営理念があります。
まずは自分、その次に家族、そして社員、お客様、地域、日本。
自分の近いところからどんどん幸せにしていくといった考えですね。
社内の制度はその理念に沿った形のものが多いです。
中には社員に提案してもらった制度が採用された制度もありますし、社員が幸せになるようなものを積極的に採用しています。
例えば「バースデイ制度」という制度が弊社にはあります。
これは社員のパートナーが誕生日の際には食事代を支給してもらえる制度なんです。
日頃お世話になっている自分のパートナーを少しでも幸せに出来るように、といった代表の理念に基づいたものですね。
他にもデバイス購入費の半額を支給してくれる「最新デバイス購入支援制度」や、帰省する際に交通費を補助してくれる「ゴーホーム制度」などがあり、社員が生き生きとして働ける制度がそろっています。
スマートスピーカーが販売された時なんかは、「最新デバイス購入支援制度」に申し込みが殺到していました(笑)
こういった理念のもと作られた制度が社内満足度向上に貢献する一因だとは思いますね。
高杉:
たしかに自分が幸せでなければ周りの人を幸せにはできませんね…!
社内の雰囲気や、評価制度、待遇面など満足度の向上に欠かせないことは多いかと思いますがどのように対応していますか?
西尾さん:
ほとんど弊社のプロダクトでもあるチャットツールを通して対応できていると思います。
弊社では全国の社員が集まる全社合宿が開催されています。
普通ですと、異なるオフィスの社員とはその場が初対面となり合宿をきっかけにお互いを知っていきますよね。
ですが、弊社は全ての社員をひとつのグループチャットにまとめています。
つまり、場所に関係なくインターネット上で繋がっているんです。
そのグループチャットではみんなが気軽にやり取りをしているので、実際に会う前からどのような人なのか分かるんですよね。
また、制度に対する意見もチャットで提案することが可能で、その意見は全員で見ることができます。
チャットで気軽に意見を出せるので、社員は気兼ねなく自分の意見が言えますし全員で挙がった意見に対して議論もできます。
チャットというツールも手伝って、上下関係もなくオープンな雰囲気ですね。
横のつながりが多く、社内の風通しはかなり良いと思います。
待遇面ですと先ほど紹介した制度が重宝されていますね。
弊社は勤務形態のひとつに在宅ワークもあるんですよ。
場所に制約無く仕事ができるという環境はとても気に入ってもらえているようです。
特にお子さんがいらっしゃる方からは感謝の声をいただくことが多いですよ。
高杉:
こういった施策を実践してきた中で、目に見えた変化などがありましたら教えてください。
西尾さん:
離職率の減少はかなり目に見えた変化だったと思います。社員を大切にするという前代表の考えが根付いたこともあり、会社の制度や待遇が理由で離職していく人は大幅に減りましたね。
採用活動の際も応募者がたくさん来るわけではありませんが、制度の充実がきっかけで弊社を選んでもらえる事は多いです。面接の最後に何か質問があるかお伺いすると、制度に関して「本当にある制度なんですか?」と質問されることが多いです(笑)
それだけ弊社の制度に対して興味を持っていただけているかな、と。
高杉:
採用活動にも変化があったんですね。人材育成に影響はありましたか?
西尾さん:
そうですね、直接的な作用というよりは間接的に影響が出ているかもしれません。
現在ある制度をより良いものにするために、社員からも積極的な声がよく挙がっています。
そういった意味では、コミュニケーション能力や積極性という観点で影響を与えているのではないでしょうか。
また、表彰なども行っています。
そういった取り組みは社員のモチベーションを上げるきっかけになっているんじゃないでしょうか。
高杉:
最後に、今後の貴社の目標や達成するにあたっての課題などがありましたら教えてください!
西尾さん:
うれしいことに、新しい仲間が急激に増えてきました。
この段階で留まらず、今後も採用活動に力を入れていきたいですね。
弊社はまだベンチャー企業ですので、今後上場することも視野に入れながら、さらに高みを目指していきたいとは思っています。
そうやって会社を成長させていくと、現在の制度への対応も課題になってくるかと思います。
もちろん今の制度は大事にしたいんですが、母数が増えてくると制度自体のブラッシュアップも必要です。
60人ぐらいで運用できた制度を100人以上でどう回していくか、不要なものはないか。
それに人数が増えてくると代表と社員の関係数も増えていきますから、その中でどう満足度を上げていくか。
そういった変化に対応しつつ、高い社員満足度と低い離職率を維持していきたいですね。
高杉:
「Make Happiness」という理念にも深く共感させられましたが、何より前代表である山本様の社員を大切にしたいという思いが強く伝わってきました…!
こういった思いがChatWork様の社員満足度向上へと繋がったんですね。
西尾さん、今回はとても貴重なお話をありがとうございました!
西尾さん:
ありがとうございました。
社員を大切にすることで、社員満足度を向上させる。
シンプルに聞こえますがなかなか難しいことかもしれません。
ChatWork様のように、まずは自分が幸せになれるような施策を考えてみるのも良いかもしれません。
今回はすべてご紹介できませんでしたが、ChatWork様のコーポレートサイトでは多くのユニークな制度をご紹介されておりますので参考にしてみてはいかがでしょうか?
私もまずは自分を幸せにしたいと思います!!