インタビュー 2018/09/27

季節に左右されず経営を続けるための工夫とは?雑誌がプロデュースする会員制サーフクラブへ行ってみた。 Reporter : 高杉

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こんにちは!高杉です。
今年の夏はかなりの猛暑に見舞われましたね。夏といえば海!海といえば海の家!
そんな安直な考えで海水浴場へ繰り出すとサーフクラブなるものを発見しました。
そこで気になったのは、季節にゆかりのあるお店だと特定の季節しか盛り上がらないのでは?という点。
海の家やスキー場など、季節によって客層が変化するお店はどうやって年中経営しているんでしょうか。
期間限定で経営しているのか?それとも副業のような扱いで掛け持ちしているのか?などの疑問を解消しに、直接お店へ伺ってきました!
今回取材に応じてくださるのはHONEY SURF CLUBのマネージャー 高山 聡子さんです!

高杉:
本日は宜しくお願いします。

高山さん:
宜しくお願いします。

発祥は雑誌。読者の声で作られた会員制サーフクラブ。

高杉:
まず、このお店が生まれた経緯を教えてください。

高山さん:
私が知っているのは編集部の方から聞いた話になりますが、
もともとは「HONEY」というビーチライフスタイルの情報誌がきっかけなんです。
その雑誌を作っている編集部に、読者様から「一人で海に行きたいけどきっかけが無い」、
「海に行く仲間が欲しい」、「サーフィンをやってみたいけど何から手をつければいいか分からない」、
といった声が多く寄せられたそうです。
そういった読者の声を組んでこのお店をプロデュースした、とお聞きしました。

高杉:
読者様の声がきっかけになったのですね!
ちなみにこのお店は内装・外装共にかなりお洒落ですよね。やはりターゲットは女性の方なのでしょうか?

高山さん:
そうですね、女性の方をターゲットとしています。雑誌も同様に女性がメインターゲットですね。
ですからアメニティや内装など、清潔面もかなり気を使っています。
もちろん男性の方でも楽しめるように設備は整えていますが、会員数は女性のお客様が多いです。

高杉:
サーフクラブ、となるとお店の運営が季節に左右されそうなイメージがありますが、実際はどうでしょうか?

高山さん:
やはり、盛んな季節は夏になりますね。
ただ、お店の前にある海は7/1~8/31まで海水浴規制が設けられていまして。
その期間だと、9時から17時の間はサーフィンが出来ないんですよ。
やるとしたら朝一か夕方からになるので、ベストシーズンではありつつもサーフィンはやりにくいという部分もあります。
実際、他のサーフショップって朝の9時や10時からのお店が多くって。
でも9時から開店しても海水浴規制がある時期はサーフィンが出来ないですよね。
当店では時間外でも海に入りやすいように、開店時間を時期に合わせて変更しています。
今でいうと開店時間は朝6:00から、夜の20:30までお店を開けていますね。
よりお客様が快適に使っていただけるよう、心がけています。

実はサーフィンって季節に関係無く出来るスポーツなんですよ。
ウェットスーツも機能性の高い、薄くて暖かいものが出てきていますし。
もちろん冬場になると寒さがあるので客層は減ってしまいますが……。
女性は冷えを気にされる方も多いので、一概におすすめは出来ないですね(笑)
でも時期に関係なくお客様が来てくださるよう、イベントやキャンペーンなどを開催してお店を盛り上げています。

高杉:
冬でもサーフィンができるとは知りませんでした。どのようなイベントやキャンペーンを行なっていらっしゃるのでしょうか?

高山さん:
今やっているもので言うと、「HONEY」を主体にしたイベントですね。
「HONEY」がプロデュースしているお店全てでイベントを開催しています。
「HONEY」はこのサーフクラブの他にもヨガスタジオや飲食店などもプロデュースしていて、複合施設の「材木座テラス」に入っています。
私たちのお店ではSUP(スタンドアップパドル)というウォータースポーツイベントを実施したり、ヨガスタジオではヨガの体験イベントを開いたりしています。
まだオープンして2年しか経っていないので、色々なイベントやキャンペーンを試みている状態です。
これからもどんどん増やしていく予定ですよ!

お客さまと信頼関係を結ぶ鍵は、
スタッフのホスピタリティ。

高杉:
お店を続けてこられた高山さんが、続けていて良かったなと思ったのはどんな時でしょうか?

高山さん:
このお店をきっかけに、お客様がサーフィンを楽しんでくださることですかね。
私も元々サーフィンをしていたんですけど、なかなか女性に特化したサーフクラブというものが無くって。
アメニティもそんなに揃っていなかったり、水回りがあまり綺麗じゃなかったり。
でもこのお店は女性をターゲットにしているので、女性目線でサーフィンが楽しめる環境はとても喜んでいただけています。
そういった点では自分自身の体験も相まって、喜んでいただけて良かったなと思います。
これからも、このお店をきっかけにお客様が楽しめる幅を広げていただけたら嬉しいですね。

高杉:
では、逆に大変だったことや不安なことはありましたか?

高山さん:
この辺りはローカル色の強い土地柄なので、最初は受け入れてもらえるか不安でした。
やっぱりオープンしたての頃は賛否両論あったみたいです。あのお店どうなんだろう?なんていうような声も聞きましたね。
ですからお客様と信頼関係が結べるように、接客の質をあげるなどコミュニケーションを多く取れるよう努力していました。
実際、皆様良い人たちばかりで、今は距離の近いコミュニケーションを取ることができています。
このお店も海も駅から近くはないので、注目される夏以外は地元の方が来てくれないと盛り上がらない場所なんですよ。
ですから夏だけ盛り上げるのではなく、いつでも地域に密着したお店を目指しています。

高杉:
信頼関係の構築にとても尽力なさったのですね。やはりスタッフさんたちも、接客におけるクオリティの向上に努めているのでしょうか。

高山さん:
そうですね、皆とてもホスピタリティが高いです。
実際、スタッフの教育面においては全然苦労していないんですよ。
このお店のスタッフは年齢層が高めで、だいたい皆30歳以上なんです。
だから社会経験をしてからこちらへ転職してくれた子ばかりだったので、基本的な部分はできていたんですね。
そして皆のホスピタリティの高さも加わって、一から全てを教える必要は無かったです
初めは私の接客する様子を見てもらってから皆に真似してもらっていましたね。
そこから全員で接客について話し合ったり、改善したりして今に至るという感じです。
だからこそマニュアルも作れるまでになりました。
皆でこのお店を作り上げてきたからこそ、今があると思います。

目指すはお客さま同士を繋げるコミュニティの拡大!

高杉:
オープンして2年ということですが、オープン時の採用活動はどのようなことをしましたか?

高山さん:
オープニング時には「HONEY」のwebサイトと、SNS、それから紙媒体で募集をかけました。
現在は総勢8名のスタッフでお店を運営しています。
実は、オープニングから辞めたスタッフがほぼいないんですよ。
やはり皆、海が好きだったり興味があって応募してくれた子が多くて、
そういった意味だとお店の環境はスタッフにとって働きやすい環境なのかもしれません。
海を見ているとメンタル的にも癒されると思いますし(笑)
もちろん学生さんで就職活動をしなければならないから、と辞めていった子も過去にはいましたね。
求人をかける時は「HONEY」のwebサイトやSNSを活用して募集をかけています。
もしそれでも見つからなかったら紙媒体での求人を検討しようか、という感じですね。
やはりHONEYという元になる雑誌があるのでコンセプトも理解しやすいですから、応募しやすいというのもあるかもしれません。
実際スタッフは皆「HONEY」の愛読者ですよ。

高杉:
確かに雑誌の愛読者ならSNSやwebサイトの動きには敏感になりそうですね。
スタッフさんの人材育成はどのようにしていますか?

高山さん:
基本的には、マニュアルを作成してあるのでそれを読んでもらっています。
マニュアルに書いてあることが出来れば一通りお客様への対応ができるように作っていますね。
やはり人件費の問題もあって、常につきっきりで教えてあげることはできないので。
とはいえ割と体当たりでやってもらっているところもあります。実践スタイルって言うんでしょうか。
マニュアルを読んだだけでは、いざやろうとした時に頭で分かっていても行動が出来なかったりするんですよ。
ですからマニュアルだけを読ませてよろしく、ではなく、実際やってみてもらって分からなかったら聞いてもらう、というスタイルをとっています。
失敗させて覚えてもらうというか。自身で経験してもらって、その経験からまた学ぶことが大事ではないかなと。

高杉:
仮に新しくスタッフさんを雇うとしたら、どのような方が理想でしょうか。

高山さん:
理想でいうと、海に関する知識がある人でしょうか。
私は元々サーフィンをやっていたので、天候が海にどんな状況を及ぼすか、など危険性についての知識はありました。
でもやったことが無い子は天気図とかも分からないですし、海がどれだけ危険かっていう意識は薄いと思うんですね。
そうなると、お客様とのお話が出来なくなってしまうんですよ。やはり体験していないと説得力が生まれないというか。
この天気だと海に入るのは止めたほうが良いですよ、というふうに言い切ることが出来ないと、お客さんの不安を煽ることになってしまうんですよね。
ですからサーフィンをしているだとか、海に携わっている方だと本当にありがたいです。
オープン当時、スタッフの子たちは皆、海には興味を持っていたのでこのお店をきっかけに海に携わって体験し、学んでもらいました。
そうすることでお客様とも色々なお話ができるようになっていきましたね。
ただ仕事をしながら海にも入って……、というのは大変だと思うので、やはり知識のある人が即戦力かなと。

高杉:
本当に皆様全員でこのお店を盛り上げていらっしゃるのですね。
高山様が目指す、このお店の目標は何でしょうか?

高山さん:
もっとお店から発生したコミュニティを広げていきたいです。
最近3年目を迎えましたが、初めはどうしても会員が定着しなかったんですね。
サーフィンという特殊なスポーツをメインにしていることも原因の一つだとは思いますが。
最近になってようやくお客様が定着してきて、このお店を拠点に海に入ってもらうというサイクルが根付いてきました。
現状で満足せず、この先も常に会員様がいてお店が盛り上がっている状態を維持していきたいです。

更に言うと、このお店で友達を作ったりしてくれると嬉しいです(笑)
一人だけで何かを続けるというのは、女性は特に難しいと思います。仲間がいるとモチベーションも変わると思いますし。
一人でサーフィンをしても、結局友達や仲間ができなくて辛いから辞めます、といった方も過去にはいらっしゃって。
そういったことが無いように、どのお客様も楽しくサーフィンが続けられるようにしていきたいですね。
この部屋も会員様同士がコミュニケーションを取れるような作りにしているので、是非活用してほしいです。
このお店が、繋がりの幅を広げるきっかけになれたら、と思います。

サーフィンが盛り上がる時期は夏だけかと思いきや、年中できるスポーツだそうです。
確かに夏が一番の盛り上がり時とはいえ、このお店では定期的にイベントやキャンペーンを開催しているとのこと。
このマーケティング方法は、皆様も比較的簡単に取り入れることができるのではないでしょうか?
ですが年中経営していけるのは地元の方との信頼関係が結べているからこそ。そしてその方向性が人材育成を通してスタッフさんにも伝わっているからですね。
お店や会社のポジショニングをしっかり定め、どのように人材を育てていくのか。
今一度見直してみると、もっと最適な答えが見つかるかもしれません。どうぞ参考にしてみてください!

HONEY SURF CLUB
住所:
神奈川県鎌倉市材木座5丁目8-25 材木座テラス B1F
営業時間:
夏季7:00~20:00
冬季7:00~19:00(※予定)
電話:
0467-84-9671
https://www.honey-surfclub.com/
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